「環境先進国のドイツだからゴミが減らせるのであって、意識の低い日本ではゴミの減量なんてとても不可能だ」という意見が思い込みにすぎないことを意味します。
食べ物の40%が生ゴミにこれまで何回も「日本の食糧自給率が30%足らず」という話が出てきましたが、実際には27%くらいです。
先進国でこんなに低いのは日本だけです。
先進国ではことごとく50%を超えています。
つまり自給自足ができているということです。
不思議なことに、70%以上を輸入に頼るほど食糧の足りない日本は、食べ物の40%を生ゴミとして捨ててしまっているのです。
しかもほとんどを燃やしています。
ホテルの宴会や立食パーティや宴会の残り、コンビニの弁当の売れ残り、家庭から出る生ゴミや期限切れで捨てられる「まだ食べられる食品」、できてから30分後には捨てられる売れ残りのハンバーガー……40%くらいにはすぐなりますね。
サイクル社会の復活を平成6年度の一般ゴミのリサイクル率(再生利用のための回収率)は9.1%で平成5年度の8.0%から少し増えています。
これはうれしいことですね。
しかしここで、リサイクルの本当の意味をよく理解しておく必要があります。
リサイクルというのは、「もともとサイクルで循環していたものをいったん外に出しておいて、ふたたび元のサイクルに戻す」という意味です。
こう考えると、昔の日本、特に江戸時代はリサイクル社会と言われていますが、実際は「サイクル社会」と言うべきかもしれません。
現在では、ドイツや北欧などで、「リサイクルする必要のあるものはつくったり、使ったりしてはいけない」というのが常識になりつつあります。
私はここで「リサイクルするな」と言っているのではありません。
ただ、リサイクルするためには、多かれ少なかれ資源とエネルギーを使います。
つまり、リサイクルすればするほど、資源の枯渇が近づき、エネルギー使用量と二酸化炭素排出量が増えるということなのです。
とは言っても、これだけリサイクルする必要のあるもので溢れ返っているのを見ると、ドイツや北欧の常識は机上の空論のようで何か空しさを感じます。
私たちは、「リサイクル社会の構築」をとりあえずの目標にすべきかもしれません。
しかし、地球を永続させるためには、「リサイクル社会の構築」というよりも、リサイクルしないといけないものを少しずつ減らしながら「サイクル社会の復活」を目指す必要があるのではないでしょうか。
「ごちそう」が「生ゴミ」に変わるとき。
「台所からなにげなく捨てているものが、環境に悪影響を与えている」ということを述べました。
マヨネーズや牛乳と同じように、生ゴミも栄養そのものです。
私たちは、食事中にはおいしい料理を「ごちそう」と呼び、「ごちそうさま」と言った瞬間にそれを「生ゴミ」と言い換えます。
とても身勝手なことだと思います。
ここで大切なことは、生ゴミの特徴は生分解性であるということです。
私たちは、「環境を汚さないために生分解性の物を使えばいい」と思い込んではいないでしょうか。
生分解性であっても、自然の許容量を超えると環境破壊につながってしまうのです。
生分解性とは、生物にとって「栄養」ということです。
「ごちそう→生ゴミ→汚い→捨てる」という連想を働かせると、ゴミ問題が深刻になります。
一方、「ごちそう→栄養→もったいない→食べ残しをしない、あまっても有効に活用する」と発想すると、結果として生ゴミは減少するはずです。
地球環境問題の根本原因これまで、地球環境の実態についてお話ししてきました。
地球環境問題は想像以上に深刻で、このままでは取り返しがつかなくなることは明らかです。
私たちは、早急に根本的な解決策を考え出し、実行しなければなりません。
地球環境についてのデータや統計など、細かな数値をたくさん知っているだけでは、単なる物知り博士にすぎません。
これでは次から次に発表される新しいデータに振り回されて、本質からどんどん遠ざかっていくことになりかねません。
そして、「あなたは大変多くの知識をお持ちだが、実践と行動が伴いませんね」と皮肉を言われることになるでしょう。
私たちにとってまず大切なことは、地球環境問題の全体像をとらえ、その根本原因に気づくことです。
そこでここでは、地球環境問題を考えるうえでぜひとも知っておきたいポイントをいくつかご紹介します。
これらのことを知っておくと、膨大な情報に流されることなく、常に全体像を見ながら地球環境問題を考え、実践・行動することが可能になるでしょう。
まず最初に、地球環境問題のつながりについて考えてみましょう。
地球環境問題には、水資源の危機、地球温暖化、オゾン層の破壊、森林破壊、酸性雨、生物種の絶滅、人口爆発、砂漠化、ゴミと廃棄物問題、原子力核廃棄物問題などがあります。
また最近は、電磁波、遺伝子組み換え農作物、そして環境ホルモンなどが大きな問題になっています。
ここで重要なことは、ここにあげたような問題が全部つながっているということです。
地球温暖化やオゾン層破壊などが、ひとつひとつバラバラに存在するわけではなく、全部つながっているのです。
そして、やがては人間にも大きな影響を及ぼします。
たとえば、温暖化→森林破壊→砂漠化→生物種の絶滅→食糧危機→飢餓とか、オゾン層破壊→生物種の絶滅→食糧危機→飢餓のようにつながっています。
すでに、人間に対する影響が出ています。
特に貧しい人たちが住んでいる地域では、幼い子どもたちが毎日3万5千人から5万人も飢餓や栄養失調で亡くなっています。
豊かと言われる地域でも、有害紫外線を浴びたり、化学物質の入った水を飲んだりしてガンにかかる人が増えています。
また、アトピーと呼ばれる子どもの皮膚炎なども、環境の悪化が原因と言われています。
地球環境問題のつながりを無視すると、ある問題を解決するすばらしい方法が発明されたとしても、やがて新しい問題を引き起こすことがよくあります。
たとえば、特定フロンという化学物質が、オゾン層を破壊するという理由で生産禁止になると、人間は代替フロンという新しい物質を考えました。
そのときは、オゾン層を破壊しない画期的なフロンができたと大喜びでした。
しかし、その化学物質が地球温暖化を加速するということが後になって分かったのです。
つまり、全体のつながりを考えなければ、モグラたたきになってしまうということなのです。
しかし、はじめから全体のつながりを考えておけば、どんな問題が起こるか、ある程度予想できるとも言えます。
つながりを考えていないから、後で大きな問題になることが多いのです。
環境ホルモンを「最大の地球環境問題」と言う人がいますが、オゾン層破壊による紫外線Bの増加で、普通の物質が「環境ホルモン」のような物質に変わってしまうこともあり得るのです。
生き物のつながり(食物連鎖)動物や植物がたくさん生きているところには、ある生物種が別の種の食物となり、その種がさらに別の食物となるというつながりができています。
これを食物連鎖と呼びます。
正確には、1本の鎖というより、ひとつの輪と考えた方がいいでしょう。
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